個人にかかる所得税や、法人税、たばこ税、国際課税など、多岐にわたる税制の見直しが実施される、令和2年度の税制改正大綱。
今回は、住宅・不動産に関連する改正項目のうち、「低未利用土地の適切な利用・管理を促進するための特例措置創設」に注目し、解説していきます。
人口密集地よりも地方に多く見られる「低未利用土地」。
空き家問題に関するコラムでもたびたび触れてきましたが、少子高齢化による人口減少や、中古物件が敬遠されがちな国民性などの影響で、地方都市ほど空き家の増加傾向が見られます。
今回の、低未利用土地譲渡にかかる特別控除の創設は、空き家増加やそれに伴った景観・治安の悪化を解消するための施策の一つと言えます。
休眠状態となった土地や建物の流通量を増やすことで、移住者や隣地所有者といった新たに土地建物を欲している人たちに積極的に活用してもらい、地域の活性化や治安の向上を図ろうという目的があります。
それでは、未利用地と低利用地の一例を示します。
空き地、空き家、空き店舗、工場跡地、耕作放棄地、管理を放棄された森林など
一時的に利用されている資材置場、(車両を覆う構造物がない)青空駐車場など
個人が低未利用土地を譲渡したうち、一定の要件を満たすと譲渡益から100万円が控除されます。
要件は下記のとおりです。
なお、低未利用土地等の範囲や、市区町村長の確認方法などは、現時点で詳細になっていません。
今後どのような決定がなされるのか注視する必要はありますが、今回の創設は低未利用土地の流通活性化が目的なので、厳重で煩雑なものではないことが期待されます。
内閣総理大臣から「公益社団法人」として認定を受けた業界最古の全国組織である公益社団法人 全日本不動産協会埼玉県本部・公益社団法人不動産保証協会埼玉県本部は、埼玉県下全域で5つの支部がある宅建業者約1,870店舗の会員で構成する団体です。