宅建業コラム

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宅建士試験合格のコツ・宅建業法1-宅建業免許の基準(欠格事由)

更新日:2019年06月04日

宅建業の免許に関する問題は、本試験で毎年2~3問出題されています。今回は、免許に関する論点のうち、免許の基準(欠格事由)にスポットを当てて学習のポイントを示していきたいと思います。

免許証

法人の役員等に免許欠格者がいる場合

株式会社などの法人が免許を申請した場合、法人そのものは免許欠格要件に該当していなくても、その役員(取締役など)または政令で定める使用人(支店長など)に免許欠格者がいた場合、免許を受けることができません。

刑罰に処せられた場合

刑を受けた場合の免許不可期間

犯罪の種類を問わず「禁錮以上の刑」に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者は、免許欠格要件に該当します。「禁錮以上の刑」とは、禁錮より重い刑という意味です。刑を重い順に並べると次のようになります。

死刑→懲役→禁錮→罰金→拘留→科料

死刑で免許を申請するということはないので、免許欠格になるのは「懲役刑」か「禁錮刑」を受けた場合であると覚えればいいでしょう。

「罰金」は禁錮より軽い刑なので、欠格事由とならないのが原則ですが、宅建業法違反、傷害罪、暴行罪、脅迫罪などの暴力団員が行うような犯罪、および背任罪を犯し、罰金刑に処せられた場合は、免許欠格となります。したがって、罰金刑でも免許欠格となる犯罪の種類は、「宅建業法違反+暴力的犯罪+背任罪」と覚えましょう。

以上のほか、刑罰については、次の2点も押さえておく必要があります。

  1. 執行猶予付きの刑→猶予期間中は免許を受けられないが、猶予期間が満了すれば直ちに免許を受けられる。
  2. 控訴・上告中の者→現時点では免許を受けられる。

 

論点の確認と知識定着のための過去問2問

下記問題は○×問題です。

【Q1】免許を受けようとするA社に、刑法第204条(傷害)の罪により懲役1年(執行猶予2年)の刑に処せられ、その刑の執行猶予期間を満了した者が役員として在籍している場合、その満了の日から5年を経過していなくとも、A社は免許を受けることができる。(H24年 問26)

過去問1-執行猶予

【Q2】法人Bの役員のうちに、宅地建物取引業法の規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Bは、免許を受けることができない。(H22年 問27)

過去問2-罰金刑

過去問の解答と解説

【A1】○(A社は免許が受けられる)
執行猶予がついていない場合、刑務所を出てから5年間は免許欠格者であるが、執行猶予付きの刑の場合、執行猶予期間を満了すれば、直ちに免許を受けられる(欠格要件に当たらなくなる)。よって、A社の役員は免許欠格者でないので、A社は免許を受けることができる。

【A2】○(B社は免許が受けられない)
宅建業法違反の場合、罰金刑でも免許欠格事由に該当する。よって、法人Bの役員に免許欠格者がいることになるので、Bは免許を受けることができない。

 

植杉 伸介

早稲田大学法学部卒業。宅建士、行政書士、マンション管理士・管理業務主任者試験等の講師として30年以上の実績がある。『マンガはじめて建物区分所有法 改訂版』(住宅新報出版)など、これまでに多くのテキストや問題集の作成に携わり、受験勉強のノウハウを提供している。

このコラムは、全日本不動産協会が発行する月刊不動産2019年5月号に掲載された特集記事を一部改定したものです。