令和4年11月1日施行!「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」を詳しく解説 | 全日本不動産協会 不動産保証協会 埼玉県本部

宅建業コラム

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令和4年11月1日施行!「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」を詳しく解説


本年度5月公布の「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」が令和4年11月1日に施行され、そのガイドラインも国土交通省から公表されました。

本コラムでは、今般施行された「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」の背景や概要について詳しく解説します。

「特別措置法」改正の背景は?

改正所有者不明土地法
所有者不明土地に関する特別措置法は、元々2011年の東日本大震災の復旧・復興において所有者不明土地の存在が妨げになっていたことを背景に、2018年に創設されました。

特別措置法の改正は、当時の附則に沿って行われたものです。「施行から3年を経過した場合において、法律の施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と記されている通り、特別措置法成立から3年の間に新たな問題点が浮上してきました。

具体的にはどんな問題が出てきたのでしょうか。まず、「特別措置法」改正の背景について詳しく解説していきます。

土地の利用ニーズや所有意識の低下が進行

特別措置法成立から3年が経過し、国内では都市化が進み、一部地域では土地そのものの利用ニーズが低下してきました。さらに、少子高齢化や人口減少に伴い土地の相続件数が増加し、利用の価値の低い相続した土地に対する所有意識の低下が進行しています。(※所有意識の低い土地が放置され、そのまま所有者不明土地の増加につながります)

こうした問題を背景に、今後はより一層所有者不明土地の増加が見込まれるため、特別措置法の法改正が閣議決定されました。

管理不全土地に対する苦情が増加

所有者不明土地の増加に伴い、適切な管理が行われず、周囲地域に悪影響を及ぼしていることも大きな課題です。実際に管理不全土地に対する苦情が多く寄せられています。

苦情の具体的な内容として、雑草・雑木の繁茂や落ち葉が散乱する「草木の越境」といったものや、害虫の発生やゴミの投棄などが挙げられます。国土交通省によると、過去3年間で地方公共団体の約6割が、近隣住民等からこうした苦情によるものです。

以上、所有者不明土地に端を発した管理不全に対する苦情の増加も、特別措置法改正の背景にあります。

特別措置法の法改正で追加された項目

改正法による追加項目は、主に3点で構成されています。

  1. 「利用の円滑化の措置」
  2. 「災害等の発生防止に向けた管理の適正化」
  3. 「所有者不明土地対策の推進体制の強化」

改正法の内容を項目別に解説します。

利用の円滑化の措置

所有者不明土地を公益性の高い施設として活用する「地域福利増進事業」に、備蓄倉庫等の災害関連施設や再生可能エネルギー発電施設の整備に関する事業が追加となります。

地域福利増進事業の対象事業の拡充を実現するために、土地の使用権を現行の10年から20年に延長し、事業計画書等の縦覧期間が短縮されました。

また、損傷や腐敗等により、利用が困難で引き続き利用されないと見込まれる建築物が存在する土地も、地域福利増進事業等の特例手続き対象となり、収容委員会の審理手続きが省略可能です。

災害等の発生防止に向けた管理の適正化

適正な管理がされておらず、引き続き管理の実施が見込まれない所有者不明土地等について、周辺地域における災害等の発生防止のために、市町村長による勧告・命令・代執行制度が創設されました。

管理不全土地管理命令の請求書が市町村長に付与され、土地の所有者を探索するために必要な公的情報の利用・提供を可能とする措置が導入されます。これによって、所有者探索が迅速化します。

所有者不明土地対策の推進体制の強化

市町村は、所有者不明土地対策計画の作成や対策協議会の設置が可能となりました。また、市町村長は特定非営利活動法人や一般社団法人等を「所有者不明土地利用円滑化等推進法人」として指定することも可能となります。さらに、計画の作成や所有者探索を行うにあたり、必要に応じて国土交通省職員の派遣の要請も可能です。

改正法の施行よりに所有者不明土地対策がより強化される

今回の改正法の施行によって、所有者不明土地がより公益性の高い施設として活用しやすくなり、災害等の発生防止ための管理が適正化されました。また、市町村が行政権を行使できるようになるため、所有者不明土地対策を支える体制が強化されます。

所有者不明土地は年々増加しており、国も本腰を入れて対策を強化していることがわかります。今回の改正法施行で、所有者不明土地問題に歯止めがかかることを期待したいところです。

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