不動産オーナーを守る「サブリース新法」 | 全日本不動産協会 不動産保証協会 埼玉県本部

宅建業コラム

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不動産オーナーを守る「サブリース新法」


2020年6月、サブリース事業者を対象とするはじめての規制「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(サブリース新法)」が公布されました。
今回は、規制するに至った経緯から規制内容まで「サブリース新法」についてご説明します。
不動産を法で規制

サブリースは、転貸方法のひとつ

「サブリース」とは、不動産会社が不動産オーナーから一括で借り上げた建物を借主に転貸するとともに、建物管理を行うものです。不動産オーナーはサブリース業者と「賃貸借契約」を結び、入居者の募集から管理まで、ほぼすべてを任せることになります。

不動産オーナーにとっての一番の悩みは「空き家」。その点、サブリースであれば入居者の募集も請け負ってくれますし、空き家の有無にかかわらず不動産オーナーには賃料が保障されます。

サブリース規制の説明図

不動産オーナーを守る「サブリース新法」の施行

以前は、自ら不動産管理をするオーナーが8割ほどでした。しかし近年、不動産オーナーの高齢化や相続などにともない、副業として不動産オーナーになる人が増加しています。

不動産の管理は「入居者対応」「空室募集」「物件の維持管理」など多岐にわたります。そのため、急に不動産オーナーになった場合の負担は大変なものです。そこで負担を軽減させようと不動産管理を管理会社に委託する人は現在8割にまで増え、サブリース業者に賃貸経営を一任するオーナーも増加しました。

この急激な変化は、業者の不十分な説明により長期間にわたって家賃が保証されるように不動産オーナーに誤解を与えたり、金融機関が不正な住宅融資取引を排除できないケースが発生するなどの問題を引き起こしました。これらのトラブルを防ぐとともに、オーナーが正しく理解し判断できるような環境を整えるため「サブリース新法」が施行されることになったのです。

規制の対象者と規制される行為

サブリース新法で規制される対象者と行為をご説明します。

規制の対象者

・サブリース事業者
・サブリース契約を勧誘する者

今回規制された事項のひとつが、勧誘者の明確化です。「建設請負や不動産売買の際に契約の勧誘を行う建設業者・不動産業者」や「サブリース業者からの依頼で勧誘を行った賃貸住宅のオーナーなど」も規制の対象となります。

規制される行為:誇大広告

契約条件が記載された広告の規制です。よく見られるのは「家賃保証」や「空室保証」といった文言。これらの言葉は、自分にとって都合のいいように解釈しがちです。

そのため不動産オーナーに誤認がないよう、広告内の隣接する場所に「定期的な家賃の見直しがあるか」「保証金が減額されることはあるか」といった詳細を表記する必要があります。

規制される行為:不当な勧誘

「絶対に損はしない」と言って勧誘するのは不当です。勧誘者は不動産オーナーに対し、サブリースのメリットはもちろん、リスクも伝えなければなりません。そしてその説明は、後に確認できるよう、書面で行うことが義務づけられています。

不動産オーナーに伝えるべきリスクとして「家賃の減額」「契約期間中のサブリース業者からの契約解除の可能性」「不動産オーナーからの解約には正当事由が必要(借地借家法第28条)」などがあります。

参考サイト
借地借家法(e-Gov法令検索)

規制される行為:不十分な説明

「広告」や「勧誘」を正当に行うため、不動産オーナーに対し十分な説明を行うよう制定しています。サブリース業者は、建物を一括して借り上げる賃貸借契約(マスターリース契約)の締結前に、不動産オーナーに書面で「重要事項説明」を行う必要があります。

十分な説明を行う

「サブリース」は、新法に準拠した適正なサブリース事業が行われ、不動産オーナーにデメリットやリスクを理解してもらえれば、双方にとってメリットのある仕組みです。うまく利用することで、サブリース業者と不動産オーナーとの間には、ビジネスパートナーとして良好なコミュニケーションが築けるでしょう。

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