宅建士試験合格のコツ・宅建業法~宅建業者と宅建士の届出~ | 全日本不動産協会 不動産保証協会 埼玉県本部

宅建業コラム

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宅建士試験合格のコツ・宅建業法~宅建業者と宅建士の届出~


宅建業者と宅建士には、それぞれ一定の届出義務が課されています。内容的には類似していますが、異なる点もあります。両者を別々に勉強すると、知識が混同して、本試験で解答ミスを犯しやすくなります。そこで、異同を正確に理解するため、両者を対比しつつ知識を整理したいと思います。

宅建業者と宅建士

1. 業者名簿と宅建士登録簿

業者名簿の記載事項と宅建士登録簿の記載事項

<両者の比較ポイント>

1. 宅建士登録簿(以下、登録簿)には、住所や本籍まで記載されるが、業者名簿においては、役員等の住所までは記載されない。
2. 業者名簿に記載される「役員」には、監査役も含む。
3. 業者名簿に記載される宅建士は、「専任」の宅建士だけであり、一般の宅建士は記載されない。
4. 登録簿に記載する勤務先は、宅建業者だけであり、他業種に勤務している場合は記載されない。
5. 業者名簿は一般の閲覧に供されるが、登録簿は一般の閲覧に供されない。

2. 業者名簿の変更届出と変更の登録

業者名簿の記載事項に変更が生じたら、業者は業者名簿の変更届出をし、登録簿の記載事項について変更が生じたら、宅建士(資格者)は変更の登録を申請しなければならない。

<両者の比較ポイントおよび重要ポイント>
業者名簿の変更届出と登録簿変更の登録

3. 廃業、死亡等の届出

業者の届出・宅建士の届出・両者の比較ポイント

論点の確認と知識定着のための過去問

下記問題は○×問題です。

【Q1】

宅地建物取引業者個人A(甲県知事免許)が死亡した場合、Aの相続人は、Aの死亡の日から30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。(H16 問32)

【Q2】

宅地建物取引士の登録を受けている者が本籍を変更した場合、遅滞なく、登録をしている都道府県知事に変更の登録を申請しなければならない。(H21 問29)

問題の解答と解説

【A1】×

「死亡の日から」ではなく、死亡したことを相続人が「知った日から」30日以内に届け出なければならない。

【A2】〇

本籍は、登録簿の記載事項になっているので、変更があった場合は、遅滞なく、登録を受けている都道府県知事に変更の登録を申請する必要がある。

 

植杉 伸介

宅建士・行政書士・マンション管理士、管理業務主任者試験などの講師を30年以上務める。著書に『マンガはじめて建物区分所有法 改訂版』(住宅新報出版)、『ケータイ宅建士 2021』(三省堂)などがあるほか、多くの問題集の作成に携わり、受験勉強のノウハウを提供している。

このコラムは、全日本不動産協会が発行する月刊不動産2021年6月号に掲載された特集記事を一部改定したものです。

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