不動産業界で進むIT化~売買取引における「IT重説」の運用開始~ | 全日本不動産協会 不動産保証協会 埼玉県本部

宅建業コラム

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不動産業界で進むIT化~売買取引における「IT重説」の運用開始~


コロナをきっかけに、あらゆる業種でITを利用した非対面式での業務が始まっています。それは不動産業界においても同様です。「対面」でのお客さま対応を重要視してきた不動産業界ですが、いまが変革のときなのかもしれません。

オンラインで説明

不動産業界のIT化を推し進める「IT重説」

不動産業界には、ハンコ・契約書類など紙を使う文化が根強く、業務に関わる資料の多くを「紙」で管理するのは日常の業務のひとつです。そのためIT化は困難であると思われ、他の業界に比べて、IT化の進みが遅いという現状がありました。

しかし2017年10月、賃貸取引を対象としたIT重説の本格的な運用が始まり、続いて2021年3月30日には、売買取引を対象としたIT重説の運用も開始となりました。

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「IT重説」が本格始動 宅建業者としての取り組み方

当初こそ「安心感のある対面がいい」との声もありましたが、このコロナ禍により非接触での取引形態がより強く求められ、それに応じるかのように、IT重説を行う不動産会社は確実に増加したのです。またIT重説に限らず、オンライン内見など非対面式の取引を開始した宅建業者も急激に増加しています。

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ただし、IT重説を行うには準備も必要です。PC・タブレット・スマホなどのハードウェアを揃え、お客さまにご説明できるほどにソフトウェアを使いこなせるようにならなければなりません。準備は大変かもしれませんが、時流にのらないとお客さまが離れていってしまう可能性もあります。まだ利用環境が準備できていない場合は、はやめに環境を整えた方がいいでしょう。
IT重説で準備しておきたいハードウェア

書面のIT化に向けた社会実験も開始

「重説」のオンライン化が進む一方で書面のIT化は遅れており、「契約書」などは紙でのやり取りが続いています。すべてをオンラインで完結できないため、IT重説前に必要書類や契約書をお客さまに郵送し、重説を行ったら署名・捺印していただき、書類を返送してもらうという煩雑な手続きが必要なのです。

しかしその契約書類も、オンライン化が進みつつあります。政府では、デジタル庁の設置を柱とする法案が可決され、不動産取引における押印廃止の方向性が打ち出されました。また、重説や取引書面、媒介契約書をデータで送ることも可能となり、不動産業界のデジタル化はさらに加速することでしょう。

コロナ感染対策の面からも、オンライン化に対する業界内・外からの要望や期待は厚く、それらに後押しされた部分も大きいといえるでしょう。すでにお客さまからのご要望に応え、スマホやPCといったデバイスを利用した賃貸の入居申し込みが行われている不動産会社もあり、その数はどんどん増加しています。
書面のIT化

IT化が不動産業界に与えるメリット

不動産業界のIT化には「コスト削減」「日程調整の柔軟化」「コロナ感染対策」など、さまざまなメリットがあります。

たとえば、書面がIT化した場合のメリットのひとつは、大量の紙の書類がなくなることです。契約書類は紙で保管しておく必要があり、しかもそれは何年間にもわたるため長期保管用の倉庫を借りる会社も多いのです。しかし電子化することで「モノ」として保管する必要がなくなれば、大きなコスト削減が図れるでしょう。

また不動産会社の開業や独立もしやすくなるかもしれません。内見・お申込み・契約という一連の流れが完全オンライン化すれば、遠方のお客さまとのやりとりもスムーズになるため、経費も少なく済みます。

IT化するには、ハードウェアなどの準備のために一時的に費用がかかり、勉強のための時間も必要です。しかし不動産業界のIT化は、急速に進んでいきます。乗り遅れないようにするためにも、情報を常にチェックし、柔軟に対応できるよう準備をしておきましょう。

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