「長期優良住宅」という言葉を目にしたことはないでしょうか。
「長期優良住宅建築等計画の認定制度」は2009年6月にスタートしました。2018年(平成30年)3月末時点までの累計認定戸数を見ると、新築物件は全国で915,194戸、増改築物件は423戸にのぼっています。
長期優良住宅は地球環境保全の観点で優れているだけでなく、認定を受けると住宅施工主は補助金を交付してもらえたり、税金の特別措置やローンの金利を引下げてもらえたり、多大なメリットが得られるものです。
施工主や物件の持ち主にとって、この制度を知っておくことは非常に有益です。また、不動産業に携わる皆様においても、しっかり認識しておきたい情報だと言えます。今回は、そんな「長期優良住宅制度」についてまとめました。

長期優良住宅を一言でまとめると、定期的なメンテナンスを実施すれば長期に渡って住み続けられる住宅、のことです。
「長期優良住宅建築等計画の認定制度」に定められた基準を満たした上で、所管行政庁に認定を申し出て、しかるべき査定を経たのちに長期優良住宅として認定されます。
従来、認定対象は新築物件に限られていましたが、2016年4月から既存住宅を増改築する場合も対象となりました。
長期優良住宅認定制度の導入背景には、「成熟した社会にふさわしい“豊かさ”が実感できていない」という住生活における日本国内の実態が関連しています。
「つくっては壊す」フロー消費型の社会から、「いいものをつくって、きちんと手入れして、長く大切に使う」ストック型社会への転換が必要であると考えられ、2006年に住生活基本法が成立したのです。
(国土交通省「住宅の長寿命化に関する取組み(背景と経緯)」)より)
その後さまざまな過程を経て、2009年6月4日に長期優良住宅の普及の促進を目的として定められたのが「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」です。
建設地の行政庁に「長期優良住宅建築等計画」を申請し、無事認定されると、税金の特別措置や金利の引き下げなど、施工主にとって多くのメリットが発生します。
長期優良住宅として認定される基準は、大きく分けて以下の通りです。
これらの条件を満たした上で、所管行政庁に対して申請をします。
それではまず、新築物件の認定基準についてまとめます。
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 新築版「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の長期優良住宅認定制度の概要について

新築・増改築の住宅が長期優良住宅に認定された場合、各種税金の特別措置や、補助金交付、住宅ローンの金利引下げ、地震保険料の割引などが受けられます。
控除額が一般の住宅よりも高くなります。
(※増改築物件は該当しない)
登録免許税は、通常だと不動産価格の0.15%を納める必要がありますが、長期優良住宅だとこのパーセンテージが低くなります。また、所有権移転登記の税率も軽減されます。
(※増改築物件は該当しない)
減税措置の適用期間が通常より延長されます。
(※増改築の場合は、耐震リフォーム、省エネリフォームのいずれかを実施しなければなりません)
2021年12月31日までに入居した場合は、所得税にも特別措置が適用されます。
住宅ローン減税の控除対象限度額の引き上げ、投資型減税も減額となります。
(※増改築の場合は、耐震、省エネ、耐久性リフォームが対象)
木造の新築物件を建てる場合、「地域型住宅グリーン化事業」から補助金が交付されます。
増改築工事にも補助金が交付されます。さらに省エネ性能向上のリフォームには補助金が上乗せされる場合もあります。
借入金利が期間限定で引き下げられる場合があります。
地震保険料の割引には「耐震等級割引き」と「免震建築物割引き」の2種類があります。
耐震等級割引については、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく耐震等級(倒壊等防止)を有している場合に、耐震等級に応じた割引きが認められます。
免震建築物割引きについては、品確法に基づく建築物である場合に割引となります。
詳しい控除金額や適用年数、補助金額、引き下げ率、割引率については、下記PDF資料をご確認ください。
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 新築版「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の長期優良住宅認定制度の概要について
※記事の内容は、各参考先当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。
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