宅建業コラム

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平成31年度税制改正大綱 住宅・不動産関連の主な改正概要~住宅ローン控除制度に特例措置を創設~

更新日:2019年05月27日

与党の平成31年度税制改正大綱が昨年12月14日に公表されました。住宅ローン控除制度に特例措置が導入されるほか、空き家売却の際の譲渡所得の特別控除制度の適用期間が延長されます。住宅・不動産関連の主な改正内容の概要を解説します。
住宅ローン控除精度など

1.住宅ローン控除制度の延長、拡充

関連する税金:所得税、個人住民税

今年10月の消費税率10%への引上げに伴う需要変動への対応のため、増税後に住宅を購入、一定の期間内に居住開始した場合、住宅ローン控除の適用期間が現行の10年間から13年間に延長されます。

ココがポイント!

■特例の適用要件

消費税が10%で課された住宅を購入し、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に居住を開始すること

■特例の内容

  • 適用期間が3年間延長され13年間
  • 11年目から13年目までは以下の金額を所得税額から控除(1年目から10年目までの控除額の計算は現行と同様)

<一般住宅の場合>

次のいずれか少ない金額

  1. ローンの年末残高(4,000万円が限度)×1%
  2. [住宅の価額-それに対する消費税額(4,000万円が限度)]×2%÷3

<認定長期優良住宅および認定低炭素住宅>

次のいずれか少ない金額

  1. ローンの年末残高(5,000万円が限度)×1%
  2. [住宅の価額-それに対する消費税額(5,000万円が限度)]×2%÷3

所得税額から控除しきれない場合には、その残額を翌年の住民税額から課税総所得金額の7%(最高136,500円)を限度に控除(平成31年度分以後の住民税から適用)

住宅ローン控除の期間延長

2.空き家を譲渡した場合の特別控除制度の延長

関連する税金:所得税、個人住民税

相続した空き家を譲渡する場合の3,000万円特別控除の特例について、被相続人が老人ホーム等に入所したため居住していない家屋およびその敷地で以下の条件を満たすものも適用の対象に加えたうえで※、適用期限が4年間(2023年12月31日まで)延長されます。

  1. 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定を受け、かつ、相続開始直前まで老人ホーム等に入所していたこと
  2. 老人ホーム等の入所時から相続開始直前まで、その家屋について被相続人による一定の使用がなされ、かつ、事業、空き家の3,000万円特別控除の 貸付け、その者以外の居住の用に供されていたことがないこと

※2019年4月1日以後の譲渡から適用されます。

ココがポイント!

現行制度では、特別控除の適用を受けようとする家屋について、相続開始直前に被相続人が居住していることが条件でした。しかし、実際には老人ホーム等に入所している例が多く、適用が困難という実情を踏まえ、要件が緩和されています。

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3.土地の売買に係る税率の軽減措置の延長

関連する税金:登録免許税

土地の売買による所有権移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置が2年間(2021年3月31日まで)延長されます。

4.サービス付き高齢者向け賃貸住宅供給促進税制の延長

新築のサービス付き高齢者向け賃貸住宅の安定確保を目的として、以下の特例措置が2年間(2021年3月31日まで)延長されます。

関連する税金:固定資産税
最初の5年間、税額を1/2以上5/6以下の範囲で市町村が条例で定める割合で減額

関連する税金:不動産取得税
家屋→課税標準から1戸につき1,200万円を控除
土地→①45,000円または、②土地1㎡あたり評価額×1/2×住宅の床面積の2倍(上限200㎡)×3%のいずれか高い金額を税額から減額

5.買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置の延長

関連する税金:不動産取得税

宅地建物取引業者が既存住宅およびその敷地を取得し、一定の性能の向上を図るための改修工事を行った後、それを個人の自己居住用住宅として販売する場合、その宅建業者に対して課される不動産取得税の特例措置について、対象となる工事の内容を追加したうえで、その適用期限が2年間(2021年3月31日まで)延長されます。

追加される対象工事

  1. 居室の窓の断熱改修工事
  2. 1と併せて行う天井、壁、床の断熱改修工事

⇒上記工事により改修後の住宅全体の省エネ性能が、断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上および断熱等性能等級3に該当

東京シティ税理士事務所 税理士 辛島正史(からしま まさふみ)
同志社大学法学部卒。参画著書に『アパート・マンション経営は株式会社ではじめなさい』『らくらく個人事業と株式会社どっちがトク?がすべてわかる本』(あさ出版)ほか、多数。

このコラムは、全日本不動産協会が発行する月刊不動産2019年1月号に掲載された特集記事を一部改定したものです。