宅建士試験合格のコツ・都市計画法~都市計画の内容②~ | 全日本不動産協会 不動産保証協会 埼玉県本部

宅建業コラム

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宅建士試験合格のコツ・都市計画法~都市計画の内容②~


前回に続いて都市計画の内容(都市計画のメニュー)について学習していきます。都市計画の名称や内容がまぎらわしいものがあるので、その区別のポイントをしっかり押さえることが大切です。

都市計画の内容

1. 用途地域以外の地域地区

区域区分よりもっと具体的な都市計画のメニューとして、地域地区と呼ばれるものがあります。地域地区のうち用途地域については先月号で学習したので、今月号ではそれ以外の地域地区について学習のポイントを示していきます。

①用途地域内のみに定める地域地区
①用途地域内のみに定める地域地区
<アドバイス>
これら3つの地域地区には重要な共通点があります。それは、すべて用途地域内に定められるということです。別の言い方をすれば、用途地域が定めてある場所にしか、定めることができません。

高度地区と高度利用地区はまぎらわしいので、両者の区別のポイントを押さえておく必要があります。区別のポイントは、高度地区は建築物の「高さ」について定める地区であるのに対し、高度利用地区は建築物の「容積率」等について定める地区である点です。高度利用地区は、「高度」と「地区」の間に「利用」という文言が入るので、直接的に高さを制限することはなく、容積率などを制限することによって間接的に高さに影響する、という覚え方をするといいかもしれません。

②補助的地域地区
②補助的地域地区
<アドバイス>
特定用途制限地域は、用途地域が定められていない区域にのみ定める点がポイントです。ただし、市街化調整区域に定めることはできません。

特例容積率適用地区を定めることができる地域は、第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域以外の用途地域というように覚えるとよいでしょう。

高層住居誘導地区について、「高層住居」という名称から連想して第一種・第二種中高層住居専用地域と結びつけてしまいそうですが、第一種・第二種中高層住居専用地域には高層住居誘導地区を定めることはできない点に注意してください。

2. 地域地区以外の都市計画

①都市施設
都市施設とは、都市生活に必要な公共施設等を設置する都市計画です。都市施設について押さえておくべきポイントは、次の3点です。
①都市施設
②地区計画
地区計画は、比較的小規模の地区を単位として、その地区の特性に応じたキメ細かな街づくりをするというイメージの都市計画です。地区計画のポイントは、次の2点です。
②地区計画

論点の確認と知識定着のための問題

【Q1】

高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、または土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区である。

【Q2】

高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途を適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域等において定められる地区をいう。

問題の回答と解説

【A1】×

本問の記述内容は、高度利用地区ではなく、高度地区に関するものです。高度利用地区では、建築物の高さは定めず、容積率の最高限度および最低限度等を定めます。

【A2】×

高層住居誘導地区を定めることができるのは、第一種・第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域および準工業地域です。第一種・第二種中高層住居専用地域には定めることができません。
植杉 伸介

宅建士・行政書士・マンション管理士、管理業務主任者試験などの講師を30年以上務める。著書に『マンガはじめて建物区分所有法 改訂版』(住宅新報出版)、『ケータイ宅建士 2021』(三省堂)などがあるほか、多くの問題集の作成に携わり、受験勉強のノウハウを提供している。

このコラムは、全日本不動産協会が発行する月刊不動産2023年8月号に掲載された特集記事を一部改定したものです。

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