宅建業法のガイドラインの変更は、「一部改正」といった形で随時行われるため、常に情報をチェックしておかなければなりません。ここでは、2021年3月以降8月までに通達された「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の改正についてご紹介します。

2000年4月、「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成11年法律第87号)が施行。それにより、これまで国が統一基準を定めてきた「宅地建物取引業法の解釈・運用」は、都道府県の管轄となりました。
そして国民により分かりやすいものとするため、同年7月に国土交通省が「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」を策定し、参考として各都道府県に通知。知事免許に係る事務等およびその考え方は、法令の範囲内で都道府県の自主的な運用に委ねられました。
では、この数ヵ月で改正された6つのポイントを見ていきましょう。
「日本工業規格」の記述が「日本産業規格」に改正されました。
平成30年第196回通常国会において、「不正競争防止法等の一部を改正する法律」(法律第33号)が可決成立。それにより、工業標準化法が一部改正されたことによるものです。国際標準の範囲にあわせて標準化の対象にデータ、サービス、経営管理などがも追加され、名称も「日本工業規格(JIS)」から「日本産業規格(JIS)」に変わりました。

第35条は、重要事項の説明に関わる条項です。従来、宅地または建物の賃借に関してのみの項目でしたが、改正により売買や交換まで対象となる範囲が広がりました。これにより、契約業務のオンライン化が一気に進むでしょう。

「専任」とは、事務所における勤務時間のすべてを宅地建物取引業の業務に費やすことを指します。つまり、ほかの事務所で専任の宅地建物取引士に就いたり、ほかの会社で専任を要件とする業務に就くことはできません。
しかし今回の改正では、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号)第12条第1項の規定により選任される業務管理者を兼務している場合については、業務に就くことが認められました。
賃貸物件の管理に関する項目です。ここでは「管理委託契約」という文言が「管理受託契約」に改正されています。
不動産オーナー(管理組合や個人投資家、賃貸する住宅の所有者など)がマンション管理会社や賃貸住宅管理業者などに物件管理を依頼する契約
上記の契約を受託する管理会社、管理業者側からみた表現
このように「管理委託契約(依頼する側)」から「管理受託契約(依頼される側)」に表現が改正されました。重要事項説明の際には、物件の管理について、不動産オーナーとの間でどのような契約内容になっているかなど、詳細な情報を説明しなければなりません。

改正により、管理者の氏名に関する記述や住所などについて分かりやすく書かれれるようになりました。また、「管理者」についても「委託を受けている者」など丁寧に説明しています。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、不動産業界においても仕事の仕方に変化が生じています。専任の宅地建物取引士は、事務所に勤務と定義されていました。それが、ITなどを活用して業務ができる環境であれば、事務所以外(リモート)での勤務でもよいという一文が付け加えられたのです。
このように必要に応じて改正が行われるため、情報は常にウォッチしておく必要があります。それには、全日本不動産協会の法改正等に関するお知らせページが便利です。法改正があった際は、こちらに随時掲載されるので、見落とさないようにしましょう。
内閣総理大臣から「公益社団法人」として認定を受けた業界最古の全国組織である公益社団法人 全日本不動産協会埼玉県本部・公益社団法人不動産保証協会埼玉県本部は、埼玉県下全域で5つの支部がある宅建業者約1,870店舗の会員で構成する団体です。