宅建業法には、事務所・案内所等に関連したさまざまな規制が定められています。
それぞれの規制において対象となる案内所等の範囲には違いがあり、整理して覚えておかないと横断的な知識を問う複合問題などに対処できなくなってしまいます。
間違えやすいポイントを押さえたうえで、この点を整理しましょう。

宅建業者は、下記の場所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識(宅地建物取引業者票)を掲示しなければならない。
2~5について、その場所で契約行為(申込みの受付または契約締結)を行う予定があるかどうかは関係ない。契約行為の予定がなくても、標識は掲示しなければならない。また、案内所がテント張りかどうかも関係ない。
6は、要するに、一団の宅地建物の分譲をする場所で案内所を設置しない場合でも、標識が必要になることを意味する。
宅建業者の事務所には、次の5つのものが必ず必要となる。
案内所等では、常に必要なのは、上記5の標識の掲示だけである。さらにその案内所等で契約行為を行う予定があるときは、1の専任の宅建士も必要となるが、2~4は一切必要ない。
宅建業者は、従業者名簿に最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。
★従(じゅう)業者名簿だから10(じゅう)年と覚えよう!
宅建業者は、業務に関する帳簿を各事業年度の末日に閉鎖し、その後5年間(宅建業者が自ら売主となる新築住宅に係る帳簿は10年間)保存しなければならない。
★免許は5年ごとに更新だから、帳簿も5年保存と覚えよう!
報酬つきの(報酬額)正直(標識)宅建士(専任宅建士)ちょうど(帳簿)10名(従業者名簿)
宅建業者は、申込みを受け付ける等の契約行為が事務所以外(以下の1~4)で行われる場合、成年者の専任の宅建士を1名以上設置する義務があり、場所や業務期間等の一定事項を業務開始の10日前までに、免許権者およびその業務を行う場所の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない(免許権者が国土交通大臣の場合は、設置場所の知事を経由して届出)。
届出義務がある場所は、次のとおりとなる。

下記問題は○×問題です。
【Q1】
宅地建物取引業者は、事務所以外の継続的に業務を行うことができる施設を有する場所においては、契約行為等を行わない場合であっても、専任の宅地建物取引士を1人以上置くとともに国土交通省令で定める標識を掲示しなければならない。(H21年 問42)
【Q2】
宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、従業者名簿を備えなければならず、当該名簿については最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。(H24年 問40)
【A1】×
契約行為等を行わない場合は、標識の掲示は必要であるが、その場所で重要事項の説明は行わないため、専任の宅建士を置く必要はない。
【A2】○
従業者名簿は、事務所ごとに備え置く必要があり、最終の記載をした日から10年間保存する必要がある。
植杉 伸介
早稲田大学法学部卒業。宅建士、行政書士、マンション管理士・管理業務主任者試験等の講師として30年以上の実績がある。『マンガはじめて建物区分所有法 改訂版』(住宅新報出版)など、これまでに多くのテキストや問題集の作成に携わり、受験勉強のノウハウを提供している。
このコラムは、全日本不動産協会が発行する月刊不動産2019年11月号に掲載された特集記事を一部改定したものです。
内閣総理大臣から「公益社団法人」として認定を受けた業界最古の全国組織である公益社団法人 全日本不動産協会埼玉県本部・公益社団法人不動産保証協会埼玉県本部は、埼玉県下全域で5つの支部がある宅建業者約1,870店舗の会員で構成する団体です。
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