不動産業にはさまざまな形態がありますが、元手がいらない仲介業から始める人が一般的のようです。そこで、初めて開業する人が比較的扱いやすい仲介業を中心に、代表的な開業形態についてご紹介します。開業形態を決める際の参考にしてみてください。

賃貸仲介業

アパートやマンション、事務所、店舗などの賃貸物件を預かり、物件を借りたいお客様に紹介する形態です。賃貸借契約が成立した際に支払われる仲介手数料が報酬となります。 売買仲介に比べて1件あたりの報酬は少ないですが、転勤・進学での引越しなどニーズが多く客層も広いため、「人気の物件を仕入れる」「さまざまなメディアに広告を出す」などのまめな営業努力を行えば、収益は比較的安定しやすいといえるでしょう。

売買仲介業

アパートやマンション、事務所、店舗などの売買物件の情報を仕入れて、物件を購入したいお客様に紹介する形態です。売買契約が成立した際に支払われる仲介手数料が報酬となります。 1件あたりの報酬が高い点が魅力ですが、その分、賃貸のように毎月何件もの契約を成立させることは難しいといえます。そのため、まずは賃貸仲介などである程度の収益や実績を確保してから、徐々に売買仲介を手がけていくのもひとつの方法です。

その他の形態

賃貸・売買仲介や賃貸管理業以外の形態をご紹介します。また、ここで挙げた形態のほかにも、近年では消費者ニーズの多様化などに伴い、ユニークな形態もいろいろと登場しているようです。

戸建・マンション分譲(ディベロッパー)

分譲住宅や分譲マンションの建設から販売までを行う形態です。一概にはいえませんが、土地の仕入れや建設費用などで膨大なコストがかかる、建設業の免許が必要、などの諸事情から、個人や小規模の会社が手がけるにはハードルが高いといえます。

サブリーズ

アパートやマンションなどの賃貸物件を所有者から一括して借り上げ、賃貸経営を行う形態です。入居者の有無に関わらず所有者に一定の金額を支払う、賃料収入保証型などがあります。

リフォーム・リノベーション

老朽化した物件を安く買い取って改修工事を行い、新たに賃貸物件や売買物件として出す形態です。一般に、リフォームは「物件をもとの状態に戻す」、リノベーションは「物件に付加価値をつける」と考えられているようです。