「IT重説」が本格始動 宅建業者としての取り組み方 | 全日本不動産協会 不動産保証協会 埼玉県本部

宅建業コラム

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「IT重説」が本格始動 宅建業者としての取り組み方


今まで不動産取引契約の前に必ず行う重要事項説明(以降「重説」)は、宅地建物取引士の資格を持つ宅建業者が契約者に対面で実施することが義務付けられていました。

しかし2017年10月からは「賃貸借契約における借り主への重説」に限り、新たに「インターネットを活用したテレビ電話などによる重説」、通称「IT重説」が可能になりました。

テレビ会議・テレビ電話

IT重説が本格運用されるまでの経緯

IT重説を運用開始するにあたり、2015年8月31日から2017年1月31日までの1年5ヶ月の間、国土交通省と一部不動産業者協力のもと、テレビ電話(テレビ会議システム)を使用した重説を行う社会実験を経て、「運用に支障なし」と判断されました。

しかし、「売買契約」や「法人間契約」に関しては実施例が少なく、検証が不十分であったことから、ITを使用した重説は「賃貸借契約における借り主への重説」に限っての運用開始となりました。
また、一部の契約者からは「対面重説の方がわかりやすい」「対面には安心感がある」といった声も上がっていることから、本格運用までにはまだ時間がかかるのではないかと予想されます。

ただし、重説のIT化は不動産業務の効率化だけに留まらず、契約者側にとっても多大なメリットがあるものです。今後ますますIT重説の要望が高まっていくものと考えられます。
宅建業者の皆さんはIT重説の導入に向けて、積極的に準備を進めていく必要があるでしょう。

IT重説のマニュアル・ガイドライン、相談窓口等は下記の国土交通省によるページをご参照ください。

建設産業・不動産業:IT重説本格運用(平成29年度~) – 国土交通省(外部ページへ飛びます)

IT重説導入による物件契約者(お客様)のメリットとデメリット

最大のメリットは、再来店の手間と時間を省けること

タブレット端末でIT重説を受ける

物件契約者側のメリットとして一番大きいのは、遠隔地でも重説が受けられることです。
これまでのように、遠方にお住まいの契約者に直接来店いただかなくても、契約にかかる手続きをIT活用でスムーズに行えます。

従来、契約者の物件契約にかけられる所要日数が一日しかなかった場合、「内見」「検討」「契約」をすべて一日で完結させるか、別日程であらためてご来店いただくか、重説をするために担当者が契約者のもとへ出向く、などの必要がありました。

今後は再来店などの手間と時間は軽減される見込みです
さらに、プライバシーの保護ができる環境であれば、外出先の空き時間等でもスマホやタブレットなどで重説を受けることも可能です。

また、一日で急いで契約を完結させなくて済むことから、他の物件との比較検討をする余裕も生まれ、結果的に契約物件への満足度向上にもつながり、クレームの削減も期待できるかもしれません。

デメリットは、IT環境を整える手間が増えること

PCとスマホ

IT重説をスムーズに行うためには、宅建業者側と契約者側、双方ともに下記のような下地づくりが必要不可欠です。

  • 事前に重説書類を交付する
  • PC・スマホ・タブレットなどのハードと、必要なアプリケーションを用意する
  • 通信が途切れないよう、十分なインターネット環境を整える

書類の交付や郵送はこれまでとほとんど変わりありませんが、IT機器(デバイス)への慣れやリテラシーが各々必要とされます。

IT知識には個人差があるので、人によってはIT重説のための環境を準備できないかもしれません。
また、世代によってはITに抵抗を感じ、中には「心情的に受け付けない」という契約者もいるかもしれません。

しかし、「IT重説が可能な宅建業者である」というアピールは、ITへの親和性が高い世代が物件契約を考える上で、魅力的に映るポイントの一つとなるはずです。

以上のことを踏まえ、成約率向上への手がかりとして、「IT重説への対応」を視野に入れることをお薦めします。

IT重説まとめ

  • 実際のIT重説運用には課題が多く、全面的な運用には至っていない
  • IT重説は不動産・宅建業界と物件契約者の双方にメリットをもたらす
  • ITへの親和性が高い世代が増えていく時代の流れからも、IT重説への要望も増える見込み
  • IT重説の全面導入を視野に入れておきたい

IT重説の参照リンク

国土交通省によるIT重説のマニュアル(外部ページへ飛びます)

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